診断の難しい膠原病の検査

医師と患者

免疫系の異常を見破る方法

人間の体は目に見えない外敵の脅威に常時さらされています。病原菌やウイルス・花粉といった異物が体内に侵入すると、直ちに免疫細胞が働いてこれを攻撃してくれます。免疫と呼ばれるこの働きは人間が生きていく上で欠かすことができません。本来は自分の体を守ってくれるはずの免疫系が、何らかの原因で自分自身の体を攻撃し始めることがあります。代表的な自己免疫疾患として知られる膠原病は、皮膚筋炎や関節リウマチ・リウマチ熱といったさまざまな病気の総称です。花粉症に代表されるアレルギー疾患は、外から侵入した異物に対し免疫系が過剰反応することで発症します。膠原病では自分自身の細胞が免疫系に異物として誤認されて症状が発生するのです。膠原病を見破ることは、熟練した医師にとっても難易度が高くなります。通常は血液検査と画像検査・生検という3つの検査を通して膠原病かどうかを検討します。血液検査では白血球・赤血球・血小板の数が調べられる他、自己抗体の種類を調べることが診断材料となります。この自己抗体の検査も簡単ではありませんでしたが、一部の病院では免疫沈降という生物学的方法を使って正確な診断に結びつけています。

女性や高齢者は要注意

免疫沈降法では化学的に合成された抗原と患者さんから採取した血液を混ぜ、血中の自己抗体と結合させます。膠原病を発症している場合の抗体はこうした抗原と反応して不溶化するため、診断の有力な証拠となるのです。こうした免疫沈降は高度な技術を要するため、現在では限られた病院で利用されています。採用している病院では高い精度で膠原病を診断できるため、それだけ迅速に治療を開始できる点が有利と言えます。原因不明の発熱や関節痛といった症状に悩まされていながら、膠原病の診断がなかなか得られない人も少なくありません。そうした患者さんのセカンドオピニオンとして、免疫沈降検査を実施している病院は有力な選択肢です。一口に膠原病と言ってもさまざまな病気が含まれるため、患者さんによって多様な症状が見られます。中でも関節リウマチは国内に最大100万人の患者さんがいると推定されており、代表的な膠原病の1つです。進行すると関節痛や腫れといった特徴的な症状が見られますが、初期においては風邪と似た症状を呈します。女性や高齢者に多く発症しますので、微熱や全身倦怠感・食欲不振といった症状が続くようなら一度内科を受診するといいでしょう。